オフィスで仕事中に電話がかかって来た。
「お使いのセキュリティについて、確認させて頂きたいのですが・・・」
よくあるんだよ、こういう電話が。
結局のところ、彼らの目的は、その製品なりサービスを売り込もうということなのだろう。
こちらが答えたことに対して、その欠陥の存在でも指摘してくれて、その欠陥を補完するサービスを流暢に語ってくれるつもりなのだろう。
そこで、
「悪いがそのようなことには答えないことにしている。」
と答えた。
相手はこの答えが想定外のものだったのだろうか
「どうしてですか?」
食い下がってくる。
「そういうことを言わないこともセキュリティの一環として考えている」
そう、何をやっているかでもなく、施しているセキュリティの有無すら答えない。何をやっているかすらわからないなら、その欠陥は指摘のしようもないだろう。
「わかりました」
相手は素直にあきらめて、電話は終了。
敵を知り己を知れば百戦危うからずとは昔の兵法で言われた言葉だ。そして、これは現代にも妥当するであろう。
そして、これは、自分が相手に向かっていくときではなく、相手をかわす際にも妥当するのだ。自分の情報を与えない。それによって、相手に優位を与えない。
安易にしゃべらないことは大切だ。