名義貸しの話題にて
ある人から聞いた話。Yさんとする。
あるとき、名義貸しの話題になったそうだ。
名義貸し。ここでは、有資格者がその名義を貸し、実際は無資格者が全面的にその業務を行う状態をいうことにする。
Yさんと話をしていたのはMさんという方。
Mさんが、名義貸しに近い形態で楽に毎月お金が入ってくることをいいことだと言ったとのことだ。
Yさんには、そのMさんの考え方が理解できなかったという。
後日、Yさんは別のHさんとの間で名義貸しについての話題が出た。
Hさんは、問題が起こったら、責任問題になってやばい、との意見だった。
Yさんは、このHさんの考え方も理解できなかったとのこと。
積極的に肯定するMさん、ばれたらやばいということはばれなきゃいいとでも考えているかもしれないHさん。そういう評価だという。
Yさんは、資格制度、職業倫理から駄目だという考えであった。
同業者の見積もりを見て
ある日、Yさんの古い知り合いのご子息がYさんに仕事の見積もりを依頼してきた。
Yさんと同業の他社が高いのではないかと思ったとのこと。
その話を聞いた際に、そのご子息は他社の見積もり内容を見せてきた。
それを見たYさん、その価格が不当なものでもなく、高いものとも思えなかったので、
「妥当な価格だと思います。そちらで依頼してください。」
と告げた。
Yさんはそのとき仕事がバンバン入ってきていたわけでもなかった。
少し安く見積もって、これを奪うこともできた。
でも、その見積もりを見てしまった以上、その価格が妥当で消費者に不利益を与えないものであるならば、そういう奪うようなことをしたくなかったとのこと。
私自身は、俗な人間だ。だが、心のどこかでYさんのようになれたら・・・と思う。