2015年5月1日金曜日

働き者が地位を得たら・・・

 メーデーということで、事務所前の道路はデモの人たちが並び、警察官は交通規制。

 道路向かいに渡るため信号を待っていたのだが、これがなかなか青信号にならない。警察官により操作をされていたためで、その上待っているこちらに何も告知もしてくれず、対応の不親切さを感じた。

 話は戻り、デモの話。労働者の権利を訴え、大勢で声を合わせ歩いていく。

 主張に少し耳を傾けると、いいたいこととその気持ちも理解できる。

 では、この方々が労働者という立場を脱し、経営者側になったらどういう風になるのだろうか?

 私は、ふと、一人の男のことを思い出した。


 男の名前をJとしておこう。

 JはHの事務所で働いていた。大量の案件を引き受け、Hの信頼を勝ち得ていった。

 暫くして、HがJとJの先輩に当たるKという男をビジネスパートナーに昇格させる決定をした。

 Hは事務所の管理をJかKに任せて、自分は好きな分野に集中したいということだった。

 労働者から経営者へ昇格。それをきっかけにJは変わる。

 まず、同じくパートナーとなったKを追い出しにかかる。

 何かとKの至らない点を指摘し、Hに報告。HもKはダメだと思うようになっていく。

 様々な嫌がらせや工作により、Kは事務所を去ることになった。

 邪魔者がいなくなったJは、その態度がエスカレートする。

 Hの予定を把握し、これが東京へ出張などしているときは、遅く出勤するようになった。また、昼を過ぎると遊びに行くようにもなった。

 遊び代を交際費名目で事務所の経費とした。そして、行きつけの店に10万円も多く請求額を上乗せさせるようになった。

 かつては大量案件をこなしていたJ。その後は下の者と共同で案件を引き受けた形をとり、仕事をすべて下にやらせて手柄を半分自分につけるようになった。

 下の者たちは、不満が募り、やめていくものが増えた。

 Hはかつて、「この事務所を千人規模の事務所にするのが目標」と語ったという。

 その実現は遠い。不可能かもしれない。

 働き者がいつまでもそうであるとは限らない。また、それを事前に見分ける術は存在するのであろうか?